第16章 『紅葉見に、いこ〜よ〜 ♪』〜相葉×大野〜
この場所を、『大野智を落とすアイテムの一つ』として、翔ちゃんが押して来た訳が分かった気がする。
こんな遠くまで、大ちゃんを連れて来て、
大ちゃんとこの美しい場所に来れて、
本当によかった...
『翔ちゃん、ありがと』心の中で、何度も感謝した。
「...ヤバいね...」
やっとそう言った俺に、
「...ああ、うん...マジで、ヤバい...」
と大ちゃんは前を見たまま答えた。
しばらく眺めた後、大ちゃんは繋いだ手をするりと解いて、携帯を出し、写真を撮り始めた。
俺も...
二人でいろんな角度や場所を変えて撮影した後、
「撮ってやるよ...大ちゃん」
すると彼は、一緒に撮ろうと言って、顔を近付けてきた。突然の急接近に、心臓が跳ねあがったけど、
俺はさり気なさを装って、頬を接近させた。
......写った写真には、周りに少しだけのもみじと、赤い顔をした俺がアップで写っていた。
俺は、思い出したようにリュックから大きなビニール袋を出し、積もったもみじを入れ始めた。
「いいのかよ~?どうすんのそんなの??」
笑う大ちゃんに、
「少しだけなら、いいっしょ!」
と、俺はせっせともみじを詰めて、袋をリュックに押し込んだ。
いつまでだって見て居られるけどね(^^;
暗くなっちゃうと、遭難しても困るしさ。
俺たちは帰ることにした。
「また来たいな~...」そういう俺に、
「また来年も連れて来てよ~」と。
大ちゃんはそう言った。
その言葉に、一瞬心臓が止まったのは言うまでもなく。
↑跳ねたり止まったり、忙しい心臓だよ...
「帰ろっか」
そう右手を出すと、大ちゃんは少しだけ笑ってから、握ってくれた。
手を繋いで、元来た道を、二人で歩いた。
...夢のような時間だった..