第16章 『紅葉見に、いこ〜よ〜 ♪』〜相葉×大野〜
そこは、翔ちゃんが大学生の頃に、
栃木の友達が教えてくれた、
穴場中の穴場らしく、
車がすれ違うには、広いところで待ってなければいけないような...
そんな細い道を入っていくと、
車が3台ほど停められる駐車場に着いた。
ここからは歩いて20分くらいらしい。
「さっ、行こうか〜?」
俺は、リュックを背負って大ちゃんを振り返った。
「何が入ってるの?それ...」
俺の軽そうなリュックを不思議そうに見る彼に、
「秘密♪」と笑った。
途中、ちょっとした岩場なんかもあって、
辺りには誰もいなくて、
気が付いたら、俺たちは手を繋いでいた。
いつの間に繋いだのか分からないくらい、自然だったけど、離し時が分かんなくて...
歩いて汗ばむだけじゃなくて、
なんか変な汗がじんわりと手のひらに浮かんできた。
暫く歩くと、川の流れにぶつかり、
それに沿って緩やかな坂を登ったその上に、
その場所は存在した。
透明よりも澄んだ水が湧きだすそこは、
小さな淵を作り、
その水面を取り囲むように、
色とりどりの紅葉が、折り重なるようにその美しさを競い合っていた。
..........
「.........」
暫く、息をするのも忘れていた俺たちは、
その美しい光景を、目の奥に焼き付けていた。
「...すっげ...
...ここ...地球?」
ほんとに。
誰かに、『ここは天国なんだよ』って、言われたら、
そうだよね...って、そう答えると思う。
そのくらい、美しい場所だった。
大ちゃんも、隣で声さえ出ない...
...生きては...?..いるらしい(^^;
俺たち二人は、
暫くの間、時間も忘れて、
この地球に神が創られた、絵画のような景色に見惚れていた。