第14章 『いつも貴方がいた』その後のふたりの生活②~櫻井×二宮~
そう。
ここは、JALのCM撮影に来た場所。
その時は5人でここに来た。
砂浜から見える、ハート形をした2つの岩が、
変わらない姿で、俺たちを迎えてくれた。
「綺麗だね~...」
ため息が出るほどに美しい風景。
雨降りで、諦めていたこの撮影。
撮影のスタッフも、思わず息を飲んだ。
沈む太陽が、二つの岩をシルエットに代えて、
漆黒のハートがふたつ、寄り添うように海の中に立っている。
「すげ~な、ニノ~...」
「うん...ヤバいね、マジで...」
上手いコメントなんて、この大自然のパノラマの中では、陳腐にしかならない気がして、俺たちはただ、佇んでいた。
ふと気が付いて、コメントとか求められるのかな?と不安になって、さりげなくディレクターの方を見ると、うんうんと頷いていた...なんだ?...それ?
『ハイ!!オッケイ///』
俺たちはただ立っていただけで、
何か気の利いたことも言わなかったが、そのまま、
よかった!と褒められて、今日の撮影は終わった。
その日の宿は名護市内のホテル。
「櫻井さん、二人一緒でよかったんですよね?」
マネージャーに確認され、翔ちゃんは親指を立てた。
なんでか、俺はそのやり取りに赤くなる...
もう///今更なんだけど(*ノωノ)
明日の確認をして、俺たちは部屋に向かった。
お約束の翔の大きなキャスターバックの上に、
俺の小さな鞄が、ちょこんと乗っている。
まあ、彼と一緒に荷造りしてるから、
あの中に、俺の荷物も入ってるんだけどね♪
「お疲れ~っす!!」
「お疲れ様です!また明日お願いします!」
「は~い...」
翔がスタッフさんに挨拶して、俺たちは、少し疲れた顔して部屋に入った。