第13章 『in the rain』~二宮×相葉~
「すごいなぁ~!」
部屋に入るなりかずが感嘆の声を上げた。
部屋の中は、ハワイアンテイストに統一されていて、所謂『ラブホテル』に有りがちな、艶かしい雰囲気はどこにもない。
まあ、強いて言うなら窓が小さくて閉鎖的なのと、ベットヘッドに置いてあるティッシュの横に、当たり前のように避妊具が置いてあることか。
「何か、おっ洒落だね~...今のラブホって、
どこもこんななのかなぁ~」
キョロキョロするかずに、
「今はラブホとかって言わないらしいよ~..
ファッションホテルとか、ブティックホテルって、そう言うんだって!」
最近知った豆知識を、少し偉そうに言ってみたら、かずはふふん、と鼻を鳴らして、
「なんでそんなに詳しいんだよ!
....スケベ///」
って、俺を睨んだ。
「いや、詳しいって訳でも..」
焦って弁解する俺は放っておいて、
「さぁ~て♪風呂入れよ~っと!」
かずは可愛かったセミロングのウィッグと雨合羽を脱ぎ捨てて風呂場に向かった。
部屋の中に入るなり、盛りきった気持ちと身体のままセックスに雪崩れ込むものと思っていた俺は、
少し拍子抜けしながらも、部屋の中を散策することにした。
お茶のセットもお洒落な大きめのカップに亀の柄、棚にはハイビスカス柄のカーテンが掛かっていて、
それを捲ると、その中には大人もおもちゃがズラリと並んでいて....
紐に繋がれていて番号が貼ってある。
『必要な方は、フロントまで』だって...
「そんなの使って欲しいの?」
風呂のお湯を入れにいっていたかずが、
俺の後ろからそう言った。
振り返ると、
ニヤニヤしながら、俺の事を見てた。