第12章 『誰にもあげないよ!』~大野×松本~
「誕生日、おめでとう!」
「ありがとう、智...」
俺たちはグラスを軽く合わせて、見つめあった。俺を見る智の目が、優しく細められる。
「潤の目に、俺が映ってる...」
「...フフッ..何かさ、智らしくなくって、テレるんだけど...」
「...ほんと、すげぇ綺麗な目なんだもん...潤の...」
....今日のこの人、なんかいつもと違う...
ちょっとさ...ドキドキが倍増する..
俺たちはよく冷えたスパークリングワインで、程好く酔い、美味しい料理を堪能した。
すると、部屋のチャイムが鳴った。
「...誰?」
「さぁ~...誰だろ..」
リーダーがインターフォンで対応してから、入り口に出ていった。
暫くして戻ってきた智の手には、
白い箱とその上に紫の薔薇の花束が。
「誰?」
「...誰だろ?...ニノだ!」
智は、メッセージカードを
俺に渡してくれた。
『誕生日おめでとう♪♪
33歳初めての夜。大切な人と、
素敵な思い出、作ってね(^^)v
二宮和也 』
......アイツ...
「ケーキ、開けてもいい?」
言いながら、リボンをほどく智。
中からは、ハートの形のbirthdayケーキが現れた。
フルーツがたくさん乗っていて、
真ん中に3のろうそくが並んで2本。
大きなクッキーには、チョコレートで、
『Happy Birthday Jun!』
と書いてあった。
「智、唄って?」
ろうそくに火を着けてくれている智に、
俺は、お願いした。
「えっ...マジか..恥ずかしいな~」
頭を掻く彼に、
「飛びきりのやつね♪」
と言った。