第12章 『誰にもあげないよ!』~大野×松本~
「お疲れ様♪」
智はそう言ってから、
俺の首に両腕を絡ませ、挨拶がわりに軽くキスをした。
離れていこうとする身体を抱き留め、
今度は俺から唇を重ねた。
さっき智がくれたやつより、
濃厚なやつ...♪
ひとしきり再開のキスを楽しんで、
俺たちは唇を離し、おでこをこつんとぶつけた。
「おかえり...智♪」
「ただいま...潤♪」
...フフフッ...二人で笑いあう。
↑離れてたっていっても、3泊4日ですけど..
「33歳、おめでとう!潤..顔見て言いたくて..」
「ありがと。今日から3か月は、2歳違いだね..」
智が俺の手を引いて部屋の中に連れて行く。
中は、とっても広くて、センスのいい家具や、
お洒落な絵がいくつか飾ってあった。
そして何より、大きな窓からは、
東京の景色が一望で来た。
傾きかけた太陽が、いつもとは違う大都会の表情を見せていた。
「すげ~な~...ここ来たの初めて...
しかも、こんな部屋...」
「翔ちゃんと相葉くんに感謝だね~」
しばらく窓からあちこち珍しそうに眺めている智に、俺は不満に思っていたことをぶつけた。
「ねえ、映画...知念が出るだって?」
「うん...そうなんだよ~」
まだ景色に見惚れたまま、俺のことを見ない智の、後ろから抱きついた。
「何で俺に言わなかったの~?」
「あれっ?言ってなかったっけ~?」
「聞いてない///」
すると智は、俺の腕の中でクルリと半回転し、
俺の顔を覗き込んで、
「潤...やきもち~?」
って、上目遣いに俺の目を覗き込んだ。
「別に...そういう訳じゃないけどさ...」
↑思いっきし、そうだって、言ってるし..