第12章 『誰にもあげないよ!』~大野×松本~
打ち合わせの間は、相葉くんも真剣。
スタッフとの熱い話し合いも順調で、
予定よりちょっとだけ早く終わった。
俺は、思い切って、
帰り支度をする彼に声を掛けた。
「この後は~?」
「あっ、俺はCMのアフレコ...
でも..まだ、時間あるかな...
なになに~?...なんか悩んでるなら、
相談のるよ~...」
「....うん..」
俺たちはマネージャーを先に行かせ、
スタッフから離れ、奥のソファーに並んで座った。
「はい、どーぞ♪」
相葉くんが珈琲を持ってきてくれた。
額を突き合わせるように話す嵐ふたりに、
誰も近付いては来ない。
なかなか切り出せない俺に、
「リーダー明日帰ってくるんだっけ?」
相葉くんの方から話を振ってきた。
「あっ、うん、そうなんだけど...」
「じゃあ、久々に夜は一緒に過ごせちゃったりすんのかな~?」
自分のことみたいに嬉しそうな彼に、
俺は思い切って
聞いてみたかったことを切り出した。
「その事なんだけどさ///相葉くん、
最初んとき、怖くなかったの?」
慌てて相葉くんが俺の口を塞ぐ。
周りを見ても、俺たちのことを気にしてる人はいないみたいだ。
....やべぇ..つい、声が..(-.-)
「何?急に~..そんなこと..」
相葉くんだって苦笑いだよ...
どんだけ、俺、必死なんだよ...('ε'*)
「あのさ!..初めて翔くんの...その...
アレが入るときさ、痛かった...よね?」
精一杯言葉を選んで、相葉先輩の言葉を待った。
相葉くんは、少しテレ笑いをしながら、
俺の目を覗き込んだ。