第10章 『ささのはさらさら』~松本×大野~
翔「さぁて♪Mr.嵐が丘は、
目当ての娘がいたりすんのかな~?」
「はあ~?まだMr.じゃねーし!
だいたい、翔くんはなんで出ねーんだよ//」
翔「俺は運営側だから、出られねーし。
...まあ、潤がぶっちぎりだって、
みんな言ってるよ~♪」
「そんなの、どうでもいいわ!」
ふくれてそっぽを向く俺に、
肩を組んできた翔くんが耳元で囁いた。
翔「俺、知ってるからね~♪
潤の思い人❤協力しちゃうよ~♪」
「なっ///何言ってんだよ//」
焦る俺に翔くんは、思わせ振りな笑顔で、
翔「俺に任せとけって!
悪いようには、しないからさ♪」
..........悪いように、って...
この人、
俺が好きな人、分かってるんだ。
やべぇ...超ニヤニヤしてるし...(-""-;)
ホントに、分かってんのかなぁ...
...嫌な、予感がする...
まあ、翔くんなら、大丈夫か...
雅紀じゃ、こうはいかないとこだけど。
一抹の不安を残しながら、
準備は着々と進み、
いよいよ、明日の本番を待つだけになった。
.....そう。
俺は密かに、3年になる前に、
思いを伝えたい人がいた。
入学した当初から、
ずっと好きだった....
その人に...
俺たち5組の副担で、
美術部の顧問、大野先生だ。
出会った朝のことは、
今でも鮮明に覚えている。
それは、
入学式当日だった。