第9章 『恋よ、永遠になれ』 ~大野×二宮~
「あー...うまっ///
凄い肉厚なんだね~。
俺こんなに旨いキス食べたの、
マジで、初めてだよ~...」
直な感想を言う俺に、
「よかったぁ~♪」
そう目を細めるあんたが、
眩しくて、クラクラしそうだよ...
俺は、あんたの話す、今日の釣りの話を、
相槌を、打ちながら聞いていた。
信じられないくらい天ぷらを食べ、
片付けをしていると、
鞄を漁っていたあんたが、
小さな袋を出してきた。
「...ほい、これ。やるよ。」
「えっ?...俺に?...何?」
「開けてみて..」
俺は、お土産の小さな紙袋を開けて、
中身を出してみた。
出てきたのは、
ガラスの小瓶で、
中には白い砂と、貝殻かなぁ、
かわいいのがふたつ、入っていた。
「珊瑚の欠片。三日月と星の形。
かわいいなぁ、って思って、
お土産に買ってきたんだ...」
「...ありがと。俺に..?」
「お前に買ってきたから、
渡したんだろ~...」
........もう俺は、
どんどん上がる心拍数を、
押さえることが出来なくて...
なんかさ、
とんでもないこと、
言い出してしまいそうで....
.....俺の顔をじいっーと見たあんたは、
「風呂、入ってもいい?」
.......
「あっ、いいよ、もちろん...
タオルとか着替え、出しとくから///」
変に慌ててる自分が、
滑稽にさえ思えてきて...
「ありがと。じゃ、お先ぃ♪」
..........
あんたの背中を見送った俺は、
さっきもらった、
海辺の土産物屋には、
何処にだってあるような、
ありふれた小瓶を、
じっと見ていた。
小さな星と月の欠片を.......