第9章 『恋よ、永遠になれ』 ~大野×二宮~
6月24日(金)
夜来ると言ったあの人が、
何時に来るのかも分からないから、
外に出るわけにも行かず、
何だか俺は、ソワソワして、
朝から掃除をしたり、
洗濯をしたりして過ごした。
俺の部屋も、
あんたに負けず劣らず何もなくて。
唯一、
冷蔵庫に貼ってあった写真。
ハワイで5人で撮ったやつ...
それを剥がそうかな?
と、そう思ったけど、止めた。
もしもあんたに見られても、
構わないから...
夕方になる前に、あんたは来た。
大きなクーラーボックスを持って。
ドキドキしながらドアを開けると、
嬉しそうな顔して入ってきて、
「ニノ!すげ~ぞ!大漁だ!」
一人で興奮気味のあんたは、玄関から真っすぐにリビングに入り、そのままキッチンに直行した。
慌ててついてく俺に、
「見ろよ、ほら...いっぱい釣れただろ~?」
自慢気に見せてくれたクーラーボックスには、
キラキラ光る小ぶりの魚が、
氷と一緒にたくさん入っていた。
「これ...なに?」
「おめ~、キスも知らねえのかよ...」
「キス...あ~..天ぷらになってるやつだ」
俺、開いてるのしか、見たことね~し、
というか、天ぷらになってるのしか、
普通は見ないから...(^^;
「こんなに、どうすんのさ~?」
「今から天ぷらにしてやるから、
ふたりで食べようぜ!!」
大張り切りの大野さんは、
腕まくりして、ボールに魚を出し始めた。
こんな生き生きしたあんたを見たのは、
ほんと、久しぶりな気がするよ...
ボールのキスより、
生き生きしてるよ、ある意味ね....