第9章 『恋よ、永遠になれ』 ~大野×二宮~
その翌日。
レギュラー番組の収録も、
俺と大野智は、変わらずの仲だった。
まあ、当たり前と言ったら、
当たり前なんだよ...
だって、20年近く、
ずっとそんな関係だったんだから...
月が赤かったくらいで、
変わるわけなんかないんだ。
あんたのこと、忘れたくって、
いろんな女と付き合ったりしてみたけど、
結局、
俺の中から、あんたのことを追い出してくれる、そんな女は、いなかった...
...その夜の出来事は、
少なからず俺のことを傷付けた。
突然飯に誘っておいて、
何にもなく終わった....
男同士なんだし、当然といえば、
当然なんだけとさ...
...脈はないんだ、って...
思い続けても、
俺の思いは、あんたに届くことはないって、
そう思い知らされた気がして。
....分かっちゃいたけど。
正直、悲しかった。
『失恋』の引導を
突き付けられたみたいな...
それでも、
泣いてるわけにもいかないしさ、
俺は、いつもの仕事を、
いつも通りにこなしていった。
ドラマが終わったあんたは何日か、
まとめて休みを貰ったみたいだけど...
そして、その週の木曜日。
俺はピンの『ニノさん』の録りがあり、
夜までテレビ局にいた。
楽屋に戻ると、
あんたからのLINEが...
『仕事お疲れさん❗明日の夜、暇だよな❗おまえん家に行くからさ❗予定入れんなよ❗』
........何だよ、これ...
予定入れんなってさ...
そのLINEの意味を考えて、
暫く画面を眺めていたけど、
結局は分かんなくって。
『了解』とレスをした。