第9章 『恋よ、永遠になれ』 ~大野×二宮~
そんな貧相な夜景よりさ、
もっとすげーもんが見えるじゃん!
「おー!!これか?
何とかムーンって...」
「何とかムーンじゃなくて、
『ストロベリームーン』....」
雲が晴れた夜空には、
赤い大きな月が、顔を出していた。
「狼男になるやつだっけ?」
そう笑ってビールを仰ぐあんたの、
骨っぽい喉仏が上下に動くのに、
見惚れていた俺は、
赤い月の、ホントに謂れを、
話してみようかと、
深呼吸したその瞬間、
あんたはそのタイミングをわざと外すかのように、
「でも、赤い月って、なんか不気味だよな~
狼男っつ~よりは、お化けが出そ///」
......
...はははっって、笑いながら、
部屋の中へ戻ってくあんたを、
呼び戻してまで話すことでもないし...
話したとしても、どうせあんたは、
「へぇ~」で終わるだろうし...
俺が渋々部屋に戻ると、
「お前さ、今日泊まってけばいいよ。
明日しやがれの収録、一緒だしさ...」
「おう..じゃあ、そうしよっかな...」
さりげなく答えたけど、
内心はドキドキだった...
初めて上がった大野智の部屋。
なのに、いきなりの泊まり...
それ以上は、何もないって、
分かり切ってることだけどさ。
俺はドキドキを悟られないように、
どうでもいい感を出そうとした...
「ニノ、先に風呂入れよ。
着替えは俺の、貸してやるから...」
「え~..何かヤだな~、大野さんのなんて」
いつもの俺らしく、
いつもの俺が言うような言葉、選んで並べる。
「そんなこと言うなら、
貸してやんねぇぞ(笑)
裸で寝やがれ!!」
......いっそのこと、
その方がいいくらいだわ///