第9章 『恋よ、永遠になれ』 ~大野×二宮~
初めて入る大野さんの家は、
綺麗に片付いてて、
シンプルで、余計なもんは置いてない。
俺は、普通に驚いた。
「そんなとこに、
何時まで立ってんだよ...」
気が付けば、あんたはもう、
ドアを開けて部屋に入るところで、
「..お邪魔しま~す..」
慌てて俺も彼の後を追いかけた。
「まあ、座れよ...
ビールでいいかぁ~?」
「あっ、うん..いい...
ありがと。...途中で何かつまみでも、
買ってくりゃあ良かったね...」
ふわふわのラグの上に座りながら、
わざと明るく言う俺に、
「いらなくね?..腹一杯だしさ。
...ナッツくらいなら、あるよ...」
あんたはよく冷えた一番搾りと、
ミックスナッツを皿に入れて、
持ってきてくれた。
「ほい」
「..どうも...」
「じゃあ..かんぱーい!」
「..いただきまぁす...」
............
「なんか、おまえがそこにいるって、
すげぇ、新鮮だわ...」
そう言いながら
俺を見る彼の目は、ホントに優しくて、
反って俺はドギマギしてしまう...
堪らず立ち上がった俺は、
「テラスに出ても、いいかな~?」
って、そう聞いた。
「別にいいけど...大した夜景も
見えねぇよ~?」
俺が缶を片手に外に出ると、
あんたも一緒に付いてきた。
確かに、100万ドル、と言うわけには行かないけど、そこそこの...まあ、5万ドル位の灯りは見えた。