第8章 『いつも貴方がいた』 その後のふたりの生活① ~櫻井×二宮~
【二宮side】
俺は翔さんのハサミを取り上げ、
ハサミの先が当たった指を
口に入れた。
櫻「カズ...」
そっと口から出して、彼の目をじっと見つめた。
......翔さんが、ゆっくりと俺に近づいて、
そっと、触れるだけのキスをくれた。
櫻「...カズ...ほんとに、夕べはごめん!
言い訳はしないけど...信じて、俺のこと。」
真剣で、くもりのない彼の目が、
俺のことをまっすぐに見つめてる。
「翔。最初から、疑ってなんかいないよ...
飲みの席で、盛り上げようって頑張るとことか、
後輩のこと、自分に置き換えて
考えてあげるとことか、
俺、ちゃんと分かってるから...」
櫻「カズ~(T_T)」
「そんな、翔だから、好きなんだ...」
......すげ~感動した顔してる...
大きな目をうるうるさせてさ...
後3秒見つめ合ってたら、
そのまま襲われるからね♪
2秒で俺は、
「さ!続きやっちゃおうよ!
パーティー、やってくれるんでしょ?」
とウインクした。
そうして、
俺が切った綺麗な曲線の文字と、
翔さんが切った、不格好な文字、
↑何気に棘がありますけど...
後、翔さんが俺に隠れて作ってた、っていう、
輪っかの繋いだやつとで、
シンプルなリビングに、華やかな色が射して、
何だか花が咲いたみたいになった。
櫻「できた...すごく、上手にできた...」
翔さんが自画自賛したところに、
ちょうど、彼が頼んでいたらしい、
パーティー料理と、ケーキが届いた。
テーブルにいっぱいに並んだ料理と、
冷えたワイン...
なんか、いかにも過ぎて、
恥かしいよ...