第7章 『翔くんだいすき』 ~番外編~
トイレに残っていた子たちを連れて、
お部屋に戻った私は、
なんだか不思議な光景を見ることになった。
1組の布団の周りに、
くっつけるように並べて敷かれた、
4組の布団...
青い船の柄の布団に、
黄色地に星模様の布団、
グレーに紫色の象がいっぱいの布団、
そしてもう一枚は、緑色に車の模様...
...まあ、この際布団の
模様はどうでもいい!!
真ん中に赤と白のチェックの布団...
翔くんのだ。
その周りには、自分の布団を敷いて
満足顔の4人の男の子たち。
女の子たちは、飽きれているのか、
知らん顔して、その周りの
空いているところに布団を運んでいた。
.....全く...どこまで好きなのよ(^^;
翔くんのこと...
女の子たちだって、
みんな凄く可愛いのにね~...
私は少しだけ苦笑いをしてから、
子ども達に声を掛けた。
葵「じゃあ、紙芝居読むから、
こっちにおいで~♪」
子ども達『はあ~い///』
私の前に、お山お座り
(保育園では、『体育座り』のことを、
こう呼ぶ...)
で、お行儀よく座り、
目を輝かせて紙芝居を待つ子ども達...
純真無垢で、自分に正直、
...まあ、時にウソをついたり、
我が儘を言って友達同士、
衝突することもあるけど、
そうやって、少しずつ
大人になる準備をしている。
この子たちみんなが、
この先の厳しい社会の中で、
荒波に飲み込まれないで、
しっかりと自分の足で立って
歩いて行って欲しい。
その、一番大切なスタートの時に、
こうして一緒に過ごせる幸せ、
この仕事って、素敵だな...
って、改めて感じている...