第7章 『翔くんだいすき』 ~番外編~
今日の紙芝居は、子ども達が大好きな
怪獣シリーズ...
終わるまで、紙芝居に見入る、
真剣な眼差し...
小さい赤ちゃん恐竜が、
大きなティラノサウルスに立ち向かう...
クライマックスの場面では、
感情移入して泣きそうな顔の翔くんの手を、
両側から、潤くんと智くんが握っている。
その後ろでは、ドキドキ顔で
和也くんと手を繋ぐ雅紀くん...
その姿に、何だか不思議と
ほっこりされられる...
葵「はい!それでは皆さん...」
みんな『おやすみなさい!』
布団に入る子ども達...
葵「寝てる間に背が伸びるんだよ~...
いっぱい寝た子は、起きたとき、
いっぱい大きくなってるかもね~...
誰がいっぱい寝て大きくなっちゃうのか、
先生楽しみだなあ~...」
そんな風に声をかけると、
目をぎゅっと閉じて、
何とか早く寝ようとする子ども達。
...ホントに、なんて可愛いんだろ(^^♪
子どもたちの横について、
少しずつ移動しながら、
入眠を促していく...
静かになる室内...
ふと見ると、真ん中の翔くんに
くっついて、団子状態になって眠る、
5人の男の子たち...
...何だか、微笑ましい...
新入園児の翔くんを守る、
4人のナイトのようで。
...みんなが寝着いてから、
重なり合うような団子を解き、
自分の布団の真ん中にしっかり、
寝かせていく...
くっつかれた翔くんは、
何だか幸せそうな顔で眠っていた。
汗かいて、赤い顔したその口元は、
ほんの少しだけ、笑っていた...
『おやすみなさい...
楽しい夢...見てね...』
【 おしまい 】