第7章 『翔くんだいすき』 ~番外編~
そしてこの日も、例外なく、
ちょっとした事件は起きる。
裕実「せんせ~い!かずくんが、
翔くんのすぶた、食べたよ~!」
給食の時間。
隣の席の、和也くんが翔くんのお皿から、
おかずを食べたと、女の子が言いつけてきた。
葵「かずくん、翔くんの酢豚...食べたの?」
和也「食べた」
葵「どうして?」
和也「.........」
葵「おかわりしたかったら、あるんだよ~?」
和也「そうじゃないもん...」
葵「じゃあ、なんで?」
和也「......」
隣では翔くんが困った顔して俯いている。
美樹「かずくんのくいしんぼぅ~」
和也「ちがうもん!
くいしんぼじゃ、ないもん///」
とうとう和也くんが、泣き出してしまった。
それを見て困ってしまったのは翔くん。
翔「せんせ。あのね、かずくんはね...」
和也「ダメだよ!言っちゃダメ!」
翔「でもぉ~...」
葵「翔くん、先生にお話ししてくれな~い?
かずくんは、どうして
翔くんの酢豚を食べたの?」
翔「...あのね。かずくんね、ぼくがピーマン食べられないって言ったから、食べてくれたの...でもね..先生に好き嫌いしたらいけないって...いつも...だから、誰にも言うなっ...て...かずくん、が...」
ごめんなさぁ~い///わあぁ~ん///」
話しているうちに、翔くんも
泣き出してしまって....
何度も、頻りにしゃくりあげている。
酢豚のお皿を前に、泣く男の子ふたり...
....なんだか、
なんていうか....
....可愛い❤《*≧∀≦》