第7章 『翔くんだいすき』 ~番外編~
翌日。
いつもの保育園の1日が始まる。
翔「せんせー、おはようございます!」
葵「翔くん!おはようございます!
今日はなんだかニッコニコだね~。」
翔母「昨日、お友達にかたつむりを貰った、って、嬉しそうに帰ってきたんです。」
葵「そうですか~。翔くん、よかったね!」
翔「うん!!」
翔くんの笑顔に、何だか私も嬉しくなった。
そこへ、先に来ていた智くんが、
翔くんに近付いてきた。
智「翔くん、おはよ。...これ、あげる..」
智くんが、折りたたんだ画用紙を
翔くんに差し出した。
翔「見てもいい~?」
智「うん。見て~」
その画用紙には、海の中が描かれていて、
たくさんの魚や貝などと一緒に、
泳ぐ二人の男の子...
翔「すご~い!!これは...」
智「ぼくと翔くんだよ♪」
翔「さとくん!!ありがと!!大好き!」
翔くんは智くんに抱きついた。
翔母「よかったね~翔。」
翔「うん!!ママ、いってきま~す!
さとくん、いこ!」
智くんと翔くんは手を繋いで
お部屋の中に入っていった。
それを優しい顔で見送る翔くんのお母さん。
翔母「安心しました...いいお友達ができたみたいで...。先生、ありがとうございます...」
葵「いいえ...私は、何も...
子ども同士って、いいですよね~(^^)
翔母「ほんとに。」
そして今朝も、バンビ組に、
子どもたちが登園してきた。
私は、少しだけ、保育士としても、
人間としても、彼らのお陰で、
成長できたような...
そんな気がしていた。