第7章 『翔くんだいすき』 ~番外編~
私は、公園で見たことを、
細かく恵先生に話した。
すると先生は笑って、
恵「そう~...まーくんがねぇ...
翔くんと~...」
驚く様子も、困った様子もない恵先生に、
私は、
葵「放っておいても大丈夫なんでしょうか?
私は、どうすればよかったんですか?」
と詰め寄った。
すると恵先生は、
真顔で私の方に向き直って、
恵「葵せんせ。これはね、ある意味
どうすることも出来ないことなのよ。
まーくんが翔くんにチュウして、って言ったのは、ただ単に、お礼として、なのかもしれないし...
もし仮に、葵先生が心配してるように、
まーくんが男の子を好きだったとして...
それは私たちには見守ることしかできないわ。
だって、それこそ、『個性』だから...
葵「個性...」
恵「そう。男の子を好きな気持ちを、
それはおかしいことだから、
女の子の中から好きになりなさい、って...
まーくんに、そう言うの?
将来、大人になっても、
まーくんが男の子が好きだったとしても、
それを、どうこういうことは、できないのよ。
それこそ、まーくんを否定することになるから。」
葵「否定なんて...」
恵「恋愛は、自由でしょ?葵せんせ♪」
恵先生はそう言うと、私にウインクして、
恵「ただ単に、翔くんが女の子みたいに
可愛いから、ってだけかもしれないしね(^^♪」
葵「...はい...何となく、分かりました。
ありがとうございました...」
恵「いいえ♪...まーくんがねぇ...
ふふふっ...か~わい❤」
そう笑いながら、恵先生は行ってしまった。