第7章 『翔くんだいすき』 ~番外編~
翔母「では、よろしくお願いします」
翔くんのお母さんは笑顔で帰っていった。
大丈夫とは言ったけど、
翔くんの様子が気になって、
私は彼たちが走っていった遊戯室の方へ
行ってみた。
するとそこには、
何人かの大きな塊ができていた。
その中心に和也くんがいて、
その周りにはクラスの女の子たちが、
囲んでいた。
5人の中の最後の子。
和也くん。
お父さんに教わってきたというトランプの
手品は、なかなかの腕前で。
大人になったら、イケメンマジシャン...
かな(*^-^*)?
潤「どけよ!ほらぁ、
翔くんが見えないだろ~
翔くん♪こっちきて!」
翔「うん...」
和也「翔くん!おはよう♪
翔くんが来るまで、待ってたんだよ!
今から、トランプの手品するから見ててね」
群がる女の子たちを掻き分けて、
潤くんは、翔くんのことを
輪の中の、一番前に押し出した。
和也「翔くん!この中から一枚引いてね」
その後、和也くんは、
翔くんが引いた1枚を、
見事にトランプの山から選んで見せた。
美樹「わぁ、すごいね!かずくん。
魔法みた~い♪」
翔「かずくん、どうしてわかったの~?」
半べそだった翔くんは、
目をキラキラさせて、和也くんに
詰め寄っている。
私はそんな翔くんの横顔を確認して、
その場を離れた。
潤くんは、新入園児の翔くんが好きで、
何かと世話を焼いてくれる。