第1章 始まり
烏間side
一年前、ある少女を引き取った。
まだ14.5歳くらいの髪の白い少女だ。
名前は、マシロ
苗字はないらしく
どうやら戸籍も無いらしい。
防衛省の暗殺部隊の一人で、
彼女を知った時には、彼女は‘‘処分”されるすんぜんだった。
任務を遂行し帰還した少女を
防衛省の幹部達は恐れたのだ。
「なぜ、わたしは、執行した。なぜ、ころす。」
ただ並べただけの言葉。
ただ命令されたままに動いた彼女に対し、幹部達の対応は酷いものだった。
牢屋の中
手足を鎖で繋がれた彼女を見た瞬間
「俺が引き取る」
そう言っていた。
引き取るなんて言葉で簡単に解決する話ではない事は重々承知していたが
彼女が一瞬みせた
悲しみに染まった瞳に
俺は心を奪われた。
ただ、真っ当に生きて欲しい。
そう思い
俺は彼女を引き取った。
のに、
「もう関わらせたくは無かった」
防衛省からの連絡があり
マシロを3-Eへ転入させる命令が下った。
彼女に暗殺の命令が下ったのだ。
今頃彼女もこの命令を聞いたはずだ。
「準備しなければいけないな」
彼女は命令に従う
ならば俺がする事は
彼女のサポートぐらいだろう
赤く染まり始めた空を見上げ
ため息が一つ溢れた