第5章 イリーナ先生
目が覚めたら
烏間の顔が見えた。
おかしいな、バドミントンの点数数えてたはずなんだけど…。
「大丈夫か?」
「うん…。私…」
「貧血だ。赤羽がここまで運んできたんだ、礼を言っておけ」
「了解した」
身体を起こすと
少しフラついてしまった。
それを烏間が抱きとめてくれた。
「あ…ありがと」
離れようとしたら
逆に烏間に抱きしめられた。
「無理しないでくれ」
「うん」
自然と笑みが溢れる
烏間が私のことを心配してくれていて
嬉しくなった。
久々に笑ったような気がする。
「烏間、ありがとう」
「あぁ」
今だけは
独り占めしてもいいよね?