第7章 柔らかな刺
アトリエを出たら、相葉ちゃんが廊下で寝てた。
「わっ…なにしてんの!?」
揺り起こすと、相葉ちゃんが目を擦りながら起きた。
「あ…リーダーまた絵、描いてたの?」
「あ?え?いや…」
「ニノもいないんだ…どこいったのかな…」
邪心が全く無い目で言われて、何も言えなかった。
本当は、和也と結ばれたって言ってやるつもりだったのに…
「こんなとこで寝たら、風邪引くから…」
「ん…」
そう言って俺の手を取った。
そのまま俺は手を引いて相葉ちゃんの部屋まで連れて行った。
「んー…」
後ろからぎゅっと抱きつかれた。
思わず手を払った。
「え…?」
相葉ちゃんの顔に、なぜだか胸が痛んだ。
「俺はっ…和也と…」
「あ…ヤってたんだ…今…」
「は?は?え?」
「ああ…学習しちゃったんだ…」
小狡い顔でそう言われて、さっきの痛みを取り消したいと思った。
「そ、そうだよ!俺と和也は身も心も結ばれましたっ!」
「そう!」
相葉ちゃんはそういうと、にっこり笑った。
「じゃあ、俺たち、なんにも遠慮シないからねっ」
営業用スマイルかと思うくらい、さわやかな笑顔だった。
”俺たち”…
そうだ…明日から、翔ちゃんが増えるんだ…