第7章 柔らかな刺
潤の病名がわかった。
群発頭痛
ひどい頭痛が発作のように起こる病気だ。
原因はわからない。
眼の奥が抉られるように痛くなり、時には頭を打ちつけて自分を痛めつけて紛らわしたくなるくらいのひどい頭痛が起こる病気。
2年前にも同じような事があったが、その時は治った。
けど、ここひと月、また再発したそうだ。
鎮痛剤は効かない。
我慢できない痛みと、潤はずっと戦っていたんだ…
病室のベッドで、酸素吸入をしながら点滴を受けてる。
潤はここのところ、ご飯も食べられないくらい衰弱していたせいで倒れたのだ。
だからずっと点滴されてた。
俺は今日オフで、潤の見舞いにきてた。
「リーダー、ごめん…」
吸入のカップで、声がくぐもっている。
「許さん」
「…ごめん…」
「潤さ…」
「うん…」
「なんで俺たちに言わないの?」
「…ごめん…」
「俺は、そこに怒ってんの」
「…え?」
「病気になっちゃったことは、仕方ない。けど、俺達に相談できなかった?」
「だって…」
「そんなに…俺、頼り甲斐ないのかよ…」
「違うよ…リーダー…」