第28章 特別短編 ぼくたちスイーツ部
「ううう…寒い…」
寒いわきゃない。まだ9月だ。
だけど、あれだけ暑かった夏があっという間に過ぎ去ったあとのこの涼しさ…ちょっと身に堪える。
いい加減、俺もじじいだ。
…一部の説では、おじいちゃんだが…
二階からリビングに降りていくと、すでにみんなは仕事に出たあとで。
「あ~…今日も一人か…」
和也は映画のプロモーション
潤はコンサートの打ち合わせ
翔ちゃんはLIFEの収録
相葉ちゃんはドラマの撮影
って、昨日の夜言ってた。
俺はというと、LIFEの収録も終わって。
やることと言ったら、コンサートの振り付けと船舶免許の勉強。
自宅でもできるからって、今日はスタジオを押さえてない。
「…やりたくねえな…」
かと言って、外に出るわけにも行かず。
釣り船は、今、和也と翔ちゃんに禁止されている。
コンサート前の大事な時期に、事故にでもあったらどうするんだと怒られたばかりだ。
アート関係は、しばらく創作意欲が湧かなくて…
倉庫兼アトリエには行ってみてるんだけど、いまなんもやってない。
「こーんな日だって、あ~るさ~♪」
和也ほど上手に作曲できるわけじゃないが、歌ってごまかしてみる。