第27章 特別短編 王様だーれだ?
「残念だな…エプロンないしな…智くん、飲もっか」
ニノには悪いが、明日もある。
俺たちはお兄さん組だから、やっぱり体力温存しとかないとな。
雅紀と潤の化物みたいな体力に付き合ってられっか。
ニノが唖然とした顔をして俺を見た。
「翔さんっ…」
「さ、さ…」
智くんのグラスに焼酎を注いでいたら、ニノがズカズカ歩き出した。
ソファの裏に回ると、ゴソゴソなにかしている。
「あ、かず…」
智くんがしまったって顔した。
「ほら、これ使えよ」
そう言ってニノが取り出したのは、白いエプロン。
ばさりと智くんの頭の上にそれを乗せた。
「なっ…なんでこんなもの持ってんだよ!」
「ああっ!?なんでもいいだろ!?王様の命令なんだよっ!」
すんごいブチ切れて、ニノはベッドの方に潤を引きずっていった。
「あーあ…」
智くんは頭にエプロンを乗せたままニノを見送った。
「これ…相葉ちゃんに着させるつもりだったのに…」
ぼそっと呟いた言葉に納得した。
「王様ゲームとエプロンってなんの用意だよ…」
「メイド服着せて、女装させようって…和也が…」
それは…おしおきになるんだろうか…
総武線コンビの思考、よくわからない。