第24章 特別短編 俺たちのしあわせ
「じゅーん?」
朝、いつまで経っても起きてこない潤を起こしに部屋に入った。
ノックは一応したよ?
だけどさ、本人は起きてたんだよね。
「…なにしてんの…?」
そう呼びかけても、こちらを見ることもしない。
デスクで、ヘッドホンをしてじーっとパソコンを見つめてる。
またコンサートの企画でもしてんのか?
そう思ってそっと近づいて画面を覗き込んだ。
「……。」
画面に映るのは裸の女性。
そしてやっていることは大人の交歓。
そう、セックスをしている動画を熱心にご覧になっている。
溜まっているのか…
でも普通、こういうの見てたらなる体勢にはなってなくて。
ただただ画面をジーっと見てるだけで、一体なにがしたいんだか…
ヘッドホンのモジュラージャックを引っこ抜いた。
途端に部屋中に鳴り響く嬌声。
「わあああああああああああ!」
潤はすっごい慌てて動画を止めた。
「なっ…なにすんの!翔くん!」
「なにって…おまえこそなにしてんだよ」
「え…なにって…」
オナニーしてるわけでもなく。
ただただ動画をじっとみている様は、とてもスケベなこと考えてるようには見えなかったけど…