第22章 特別短編 こんな、一日。
潤と手を繋いで階段を降りてリビングに入る。
もうテーブルにはおやつの準備ができていた。
人形焼がお皿に載せられて置いてある。
翔ちゃんとかずが台所から麦茶を運んできた。
「さー、たべよー!」
いただきまーすと元気よく声を出して、人形焼に手を伸ばした。
「いいねえ~…」
「さすが植源さん…うまいっ!」
「このあんこがまたいいね」
「智、ここ、ついてる」
和也が俺の口のはしについたカステラを取ってくれた。
「ん、ありがとな…」
冷たい麦茶を飲むと、爽やかだ…
リビングに響く、皆の笑い声…
植物図鑑を見ながら、口々に植えたい木の話をしている。
俺はそれをソファに凭れながら聞いてた。
「あ、智寝ちゃったよ…」
「タオルケット掛けてあげよ?」
「台本やってて疲れたんだね」
「じゃあちょっと寝かせてあげようよ」
皆の手が俺の髪を撫でていった。
きもちいいなー…
こんな、一日。
【END】
ピックアップありがとう
2016.7.31