第15章 サロメ
「え…?皆居ないの?」
イベントが終わって、一日だけ休みがあった。
休み明け、皆はそれぞれ泊まりがけのロケだったり取材だったりで、家には俺と和也だけになった。
半日だけ仕事をして帰ってきたら、リビングで和也がそう言った。
「そうよ。あなた聞いてなかったの?」
「聞いて…たかな…?」
そういえば、そう言ってた気がする。
相葉ちゃんがあんなことするから、俺は昨日はクタクタで…
あんまり皆の話きいてなかったかも…
「まあ、いいけどさ…」
ゲーム機を置くと、和也は台所へ立った。
「晩ごはん、軽く済まそうよ」
「ん…」
俺も台所へ行って、和也の手伝いをした。
「ちゃちゃっとして、寝よ?」
「まだ早いよ」
「だって…あなた疲れてるでしょ?」
確かに、倒れた日からあまり調子は良くない。
加えて相葉ちゃんにあんなことされたし…
でも気持よかったけど…
「夜は寝るもんだよ」
和也が俺に向かって微笑みかける。
相変わらず可愛い。
でも…
なんか怖い。
「和也、なんか怒ってる?」
「え?なんで?」
「いや…別に…」
なんか怖いなんて言ったら、ぶっ飛ばされそうだった。