第11章 夢ゆら
「もっと、見せて…」
横を向いてしまった顔をこちらに向けさせる。
「和也…好きだよ…」
まっすぐ目をみて言うと、和也の頬が赤くなった。
「俺も…俺もっ…」
ぐいっと抱き寄せられた。
「智が好きだっ…」
叫ぶように言うと、泣きだした。
「和也…」
「智…一緒に居て…俺と一緒に…」
「うん…居るから…」
ぎゅっと抱きしめると、一層、和也の腕に力が入った。
「このまま一緒に…」
「うん…居ような…」
和也の髪に顔を埋めて、そのままずっと抱きしめた。
愛おしさがこみ上げて。
和也の濡れた頬を手で包むと、ちゅっと音を立ててキスをした。
「和也…おまえ、かわいい」
「ばか…」
恥ずかしそうに目を逸らす。
ぽろりと綺麗な雫が、瞳から零れて。
潤の涙と同じくらい綺麗で。
唇でその雫を吸い取る。
「和也、こっち向いて?」
和也が気怠そうにこちらに目を向ける。
知ってるよ。
それは和也なりの照れ隠しで。
ポーズだって。
「なによ…」
「俺たち…家族になろ?」
「え?」
「家族になったら、離れないだろ?」