第10章 LIFE
なんの才能だよ…
そう思いながら、また和也の耳に囁いた。
「翔ちゃんと、キス…」
一瞬、目を見開いたけど俺の顔をじっと見た。
「いいの…?」
「いいよ…一緒にしよ…?」
「うん…」
可愛らしく頷くと、そっと翔ちゃんに覆いかぶさった。
「翔さん…俺もかわいがってあげる…」
「え…?」
涙で濡れている目元をそっと拭うと、和也はそっと翔ちゃんにキスをした。
「ん…ニノ…」
「ほら…口、開けて…?」
囁く声が、ダイレクトに俺の下半身に響いた。
こんな和也、普段見れない。
いつも俺の腕の中でかわいく鳴いているのだから。
あ…山梨行った時。
あの時だけ。
「動くよ…」
堪らなくなって、いきなり引き抜くような勢いで腰を引いた。
翔ちゃんの口から、呻きにも似た喘ぎが聞こえたら、一気に奥にぶちこんだ。
「んんんっ…」
背中を反り返らせて、快感が走っているのをわからせてくれた。
「翔ちゃん、気持ちいい?」
翔ちゃんは返事の代わりに、和也の首に手を回した。
二人の唇から聞こえる音が、卑猥で。
打ち付ける腰が止まらなかった。