第3章 引っ越し
お風呂からあがると、バスローブが二つ出してあった。
「え…?コレも使っていいの?」
「うん。リネン類は全部俺が用意したから」
「え?マジで?」
「使って。あなたの部屋のベッドのシーツとか、サイズ一緒だから、一緒に管理しよ?」
そう言ってバスローブを俺に着せてくれた。
「あ、ありがと…」
バスタオルで髪を拭いた。
ニノも隣でバスローブを着て、バスタオルで髪を拭いている。
なんかペアルックっぽいなー…
なんて…思っちゃった…
アホか俺…
「じゃ先に…」
そう言って脱衣場を出ようとしたら、襟首を掴まれた。
「肌男になるよ…」
「はぇ!?」
それから小一時間、俺はニノに顔を揉まれまくった。
脱衣場が寒いから、リビングに移ってまでそれは続いた。
「か、勘弁して…ニノ…」
「だめっ…ヒマがあるときにしないと」
「だぁってもう…ひゃあふぇ…」
ニノの膝枕でソファに寝転がりながら、マッサージクリームを何回も継ぎ足されて。
エアコンだけじゃ寒くて、床暖房も入ってる。
ニノが置いたのか、加湿器からシュンシュンとスチームが噴き出てる。
大人しくしたら、なんだか眠くなってきた。
トロトロしてたら、ニノがまぶたに手をおいた。
そのまま俺は目を閉じた。
引越し当日は、なんだか訳がわからず終わったのだった。