第2章 グレイscene3
「翔くん」
「あ、潤…」
「今日は、リーダーと一緒に帰らないの?」
「うん、一緒だけど…」
「そっか…送ろうか?」
「え?潤、今日自家用なの?」
「うん。乗ってけば?」
翔くんはそういうと、はにかんだ笑みを見せた。
「じゃあ、お願いしよっかな」
「ついでにさ、俺んちで飲まない?」
「え?なんで?」
「俺、明日休みだし。それにお祝いしたいし」
「え…俺と、智くんのこと…?」
「いいでしょ…俺が祝ったってさ」
「ありがとう…」
また翔くんは涙ぐみながら嬉しそうに微笑んだ。
「じゃあ、リーダー来たらいこっか」
準備を終えたリーダーが楽屋から出てきて、俺達は3人で車に乗り込んだ。
そのまま真っすぐ自宅に向かう。
家に着いたら適当につまみを作って、酒を飲んだ。
二人の馴れ初めとか、どうやって告白したのとか色々聞き出して、からかってやった。
二人はいい気分で酔っ払っていた。
俺はキッチンに立って、リーダーにスペシャルなカクテルを作った。
翔くんにも、別のレシピでスペシャルなカクテルを作った。
「これね、二人にお祝いのカクテルだよ…」
そう言うと、嬉しそうに二人はグラスを掲げた。
俺は自分のワイングラスを持って、3人でグラスを合わせた。
「二人の未来に…乾杯」