第2章 グレイscene3
「皆に報告があるんだ」
そう翔くんが切り出したのは、レギュラーの収録の日の楽屋だった。
マネージャーもスタッフも誰もいなくなったタイミング。
「俺たち、付き合うことになったんだ」
智くんが立ちあがって翔くんと並んだ。
「皆には隠したくなくて…報告することにした」
きっぱりと言い切ると、二人は手を握り合った。
「気持ち悪いかもしれないけど…でも…黙ってることなんてできないから…応援してくれたら、嬉しい」
そう言って、二人は見つめ合った。
ニノと雅紀は暫く黙っていたけど、同時に立ちあがった。
「何言ってんのさ…」
「応援するに決まってんじゃん…」
そう言って二人に手を差し出して握手した。
「二人が想い合ってるのはわかってたよ…」
「だから、気持ち悪いも何もないって」
ニノと雅紀の言葉に、二人は涙ぐんだ。
ちらっと雅紀が俺を見遣った。
呆然としていた俺は、そこでやっと我に返った。
「あ…ああ…俺も。応援する」
やっとそれだけ言って、二人に歩み寄った。
でも、握手をすることができなかった。
微笑んで誤魔化した。
でも、二人はそんな俺の心情には何一つ気づかず、認められた安堵でひたすら涙を流していた。
嘘だろ…?
なんで…こんなことになったんだよ…