第14章 きみどり scene5
暫く抱きしめていると、かずはわんわん泣き出して…
たくさんたくさん泣いた。
ずっと俺はかずを抱きしめたまま背中を擦っていた。
「大丈夫…もう、怖くないよ…」
ずっとそういい続けていたら、かずの嗚咽はだんだん小さくなっていった。
だいぶ落ち着いた頃、かずはもぞもぞと動き始めた。
「かず…?」
「ごめん…離して…?」
「え?」
「俺…あの…」
もぞもぞと足をこすり合わせている。
「どうしたの?かず…」
「く、薬…」
「えっ…!?」
「多分、媚薬みたいなの使われて…だから、あの…離して?」
力の入らない腕で俺の身体を離そうとする。
「も、ごめん…我慢できないから…離して…?」
泣きはらした目を逸らして、顔を真っ赤にしてる。
なんて言ったらいいか…
怒りとか、悲しみとか…愛おしさとか…
全部ごっちゃになって、何も言えなくなった俺は、かずの身体を抱え上げた。
「えっ…!?さとっ!?」
そのままかずの身体をベッドに寝かせると、腕に引っかかってた服を取って、素っ裸にした。
「やっ…やだっ…やめてっ…」
じっとかずを見つめると、全部忘れさせたくなって…
そのまま俺はかずにキスをした。