第14章 きみどり scene5
「リーダー…とにかくニノを落ち着かせてあげて…」
相葉ちゃんはたちあがると、あいつを引き起こした。
松潤も立ちあがった。
「隣の部屋に居るから…こいつ捕まえておくから、ね?」
怒りで喋れない俺の肩を松潤はぽんぽんと叩いた。
「とにかく、ニノをお願いね?」
「リーダー…落ち着いてね…?」
二人は俺に話しかけると、あいつをひっぱって部屋を出ていった。
腕の中のかずはぐったりして、ぜいぜい息を吐き出してる。
「かず…もう大丈夫だから…」
「もう…離して…」
きゅっとかずの身体を抱きしめた。
「お願い…もう…」
「だめだ…かず…かずは俺のだから…」
「さとぉ…」
「あいつになにされても…おまえは俺のだから…」
「でも…俺…あいつに…」
「かずが好きなのは、俺だろ?」
かずは驚いた顔を俺に向けた。
「俺のこと、好きだろ?かず…」
「さと…」
「俺は…おまえのことが好きだよ」
かずの目から、ぽろぽろ涙が溢れだした。
「こ…こわかった…こわかったよぉ…」
「うん…ごめんな。助けられなくて…」
「さとぉっ…こわかったっ…気持ち悪かったっ…」
「うん…うん…」
泣いてるかずの身体をぎゅっと抱きしめた。