第14章 きみどり scene5
やっと目の焦点が合ってきて…
かずは俺の顔を見た。
瞬間、俺の身体を突き飛ばした。
「いやあっ…見ないでぇっ…」
「かずっ…もう大丈夫だからっ…」
「見るな見るなっ…見ないでぇっ…」
後ずさって俺から逃げようとする。
上着を脱ぐと、それをかずの体にかぶせて俺はしっかりとかずを抱きしめた。
「かず…もう大丈夫だから…ね…?」
「いやっ…いやっ…見ないでっ…」
かずが何をされていたのか、言わないでもわかった。
なんでこんなことになってるんだ…
怒りでなにも考えられない。
頭に血が昇って、腸が煮えくり返ってどうしようもなかった。
「おい…」
かずを抱きしめながら、あいつに顔を向けた。
「おまえ、かずに何したんだよ!?」
あいつはヘラヘラ笑ってなにも答えない。
「なにしたんだよ!?言えよ!」
「へ…へへ…大野さん、もう二宮さんは、僕でないとだめなんです」
「はあ?何言ってんだこいつ?」
松潤が胸倉を掴んだ。
「へへ…二宮さんは僕じゃないと、い、イケない身体になったんです…だ、だから、二宮さんは僕のものです」
「ふざけんなてめえっ!」
松潤があいつを殴りつけた。
相葉ちゃんが床に倒れたあいつを引き起こして、ベルトで手を縛った。