第1章 ミントscene2
お台場について楽屋に入った。
今日は珍しく俺たちが一番乗り。
「あれ?珍しいね。誰も居ないよ?」
「だな。どうしたんだろ?」
そう言ってソファに座っていると、マネージャーたちが打ち合わせがあると一斉に居なくなった。
楽屋には俺と和也だけになった。
こういうときは…
「あんっ…」
え?俺まだなにもしてないのに。
「今、なんか聴こえなかった?」
和也が不審な顔で回りを見渡してる。
「うん…なんか聞こえた」
二人で耳を澄ましたら、楽屋の奥にあるシャワー室から物音が聞こえる。
和也が唇に人差し指を当てた。
そのまま立ちあがってシャワー室に向かう。
以前、どうやって入りこんだのかファンが楽屋に紛れ込んでたことがあった。
また今回もそんなヤツなのかと思って、二人でそっと様子を伺った。
「んっ…う…あ…」
シャワー室の中からは苦しそうなうめき声が聞こえた。
思わず和也と顔を見合わせた。
だってそれは、男の声だったから。
じっと様子をうかがっていると、だんだん何をやっているのかわかってきた。
じっとりと手のひらに汗をかいてきた。
和也の息が、少し荒い。
いや、俺もか…