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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第14章 きみどり scene5


床に投げ出したスマホが震えた。

”ご飯食べた?”
”美味しかったでしょ?”

無邪気に俺たちを心配するメッセージが痛かった。

ごめんなさい…
ごめんなさい…


迷惑かけてごめん…


スマホを拾い上げると、ぎゅっと胸に抱きしめた。

こんな俺なのに…ごめんね…



あいつがここにくる


さとにあんな姿みせたくない


ごめんね


ありがとう



スマホの電源をまた、落とした。
そのまま荷物を漁って、浴衣から着替える。

さとが寝てる内に、ここを出よう。

アイツがここを突き止めているなら、なるべく遠く…
いっそ、東京に戻ってしまおうか…

一緒に暮らしてるさとの家じゃなくて…
もう随分帰っていない、俺の家に帰ろうか。

良かった…解約しなくて…

カバンの中にある鍵束を確認した。
家のマンションの鍵はちゃんとついてた。

いこう…

東京に、帰ろう。


そっと靴を履いて、リビングを出た。
和室の前を通って、出口に立つ。

ドアに手を掛けると、深呼吸して外に出た。

そっと左右を伺って人影がないことを確認して、ロビーに向かって走る。

走っていないと、アイツが来そうな気がしたから…

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