第14章 きみどり scene5
時刻は夕方の5時を回ろうとしていた。
電話はすぐに留守番電話に変わる。
妙な胸騒ぎがした。
もしかして電源切ってるだけかもしれない…
それにアイツが智くんたちが箱根に居ることなんて知るわけないし…
「櫻井、これから収録あるだろ…」
「ああ…」
夜の7時から番組収録がある。
これ以上は今日は動けない。
仕方なく、ラインでメッセージを送った。
”絶対に外に出ないようにね”
なんでと聞かれて、答えを用意できないけど…
打てる手は打っておかないと…
チーフの顔を見ると、魂が抜けたようになってた。
「…少しでもニノたちを救いたいと思ってるなら…今から箱根、行ける?」
「え…?」
「アイツが嗅ぎつけてるかはわからないけど、嫌な予感がするんだ…」
「わかった。行く」
「一応、俺達もできることはしてあるんだけどね…」
「櫻井…すまん」
頭を下げるチーフの身体を起こして、胸ぐらを掴んだ。
「あんなあ…ニノが隠し通そうとしてたことだ…あんたが気づかないのはしょうがないよ。だけどな…もう俺達には隠し事すんなよ…?わかったな?」
結構、本気で締め上げてしまった。
「わ…わかった…」
嵐好きすぎて2人口説いた俺を舐めんなよ?