第14章 きみどり scene5
その布に染み込んでいたのは、媚薬だったんだろうと思う。
初めてあいつは俺に触れた。
そのまま、何度も何度もイカされた。
もう嫌なのに
イキたくないのに
それでもそこは熱を持って立ち上がる
あいつは笑ってた
自分を扱くこともしないで、ひたすら俺がイクのを見て
勃起してた
最後には…
一回も自分に触ることなく射精してた
…ばかじゃねえの
こんなことで済むって思ってた俺
ばかじゃねえの
それからは、朝が来るのが怖かった
仕事の終わるのが怖かった
あいつと二人きりになるのが怖かった
でも、朝は来る
何度も来る
明け方必ず目が覚めて、吐きそうになる
そんな俺の姿を、さとはただ…
悲しそうな目をして、見てるんだ…
そう、ただ見てる
何もできないって傷つきながら
ごめん
本当にごめん…
俺達、もう離れなきゃいけないかもしれない
もう…
一緒に居られないかもしれない