第14章 きみどり scene5
リビングとベッドルームの間は、カーテンみたいなので仕切れるようになってる。
そっとそれを引くと、ベッドルームは薄暗くなった。
「かず?そんなとこで寝ないで、こっちで寝ようよ」
「うん…」
起き上がってこないから、かずを抱っこした。
「わっ…もう、さと…」
凄く…軽くなってた…
それでもかずは俺にしがみついてきたから、そんなことも言えなくて、黙ってベッドまで運んだ。
「さとも…一緒に寝よ?」
「うん。着替えよっか…ちょっと待っててね?」
ベッドルームのクローゼットに浴衣とパジャマが入ってた。
「かず?浴衣とパジャマどっちがいい?」
振り返ったら、もう寝息を立てていた。
起こすことができなくて、そのまま暫く寝顔を見つめてから、リビングへ行った。
ちょっと喉が乾いたから、水でも飲もうとしてたら、スマホが鳴った。
相葉ちゃんからグループラインが来てた。
”ちょっと疲れが取れたら、温泉に浸かってね!”
それからすぐ、潤からもグループラインが入った。
”温泉入る前に、宿に置いてあるお菓子とか摘んでね。血糖値が上がってないとのぼせるから”
なんのこっちゃと思いながらも、俺達を心配してくれてるのはわかったから、ありがとうと返しておいた。