第14章 きみどり scene5
「休ませよう…」
チーフの声が聞こえた。
「二宮、だめだありゃ…」
「え…?」
「お前、気づいてるだろ?大野」
じっと銀縁のメガネ越しにこっちを見られた。
楽屋にはかずとかずのマネ以外、全員揃ってた。
いつの間に…
「うん…」
「何か聞いてないのか?二宮から…」
「…言わないんだ…」
「え?」
「いくら問い詰めても…かず、俺にはなんにも言ってくれない…」
相葉ちゃんが俺の隣に座って、肩に手を載せた。
「リーダーも…死にそうな顔してるよ…?」
俺も、食欲なくなって…
元々食べない方なのに、更に食べないから、あっという間に痩せた。
「お前ら二人で5日ほど休みやるから…ゆっくりしろ」
チーフがため息をつきながら言う。
「えっ…無理だよそんなっ…」
まだ振り付け終わってないし、これから振り付ける曲だってあるのに…
「いいから!これは社長の命令でもある」
「えっ…嘘…」
「嘘じゃねえよ…直々だよ。二宮とお前がおかしいこと、テレビ見て気づいたんだとよ」
「そんな…」
「いいな?5日が限度だ。たまにマネージャーに様子見に行かせるから、居所は報告しとけよ?」
皆、ただ俺を見てる。
頷くしかなかった。