第14章 きみどり scene5
三ヶ月前、俺のマネージャーは新しい人になった。
前についてくれてた人は、後輩のマネになることになった。
新しい人は、事務所に入ったばかりのひょろひょろした奴だった。
こんなやつ大丈夫なのかよって思ったけど、仕事ぶりは至ってまじめで。
だからといって気が利くわけでもなく。
可もなく不可もなく。
ただ、淡々と俺に付いていた。
俺とさとが一緒に住んでることも、付き合ってることも事務所公認だから、別段警戒もしてなかった。
多分、こいつには凄い高い給料払って口止めはしてあるんだろうなと思ってた。
以前の職業はNHKの職員だったんだって。
事務所もこいつが来るのは断れない筋からの頼みだったらしくて、本物の女性スキャンダルが起こらない(似非記事は出すけど)俺に付けたってわけだった。
別に大野さんと一緒に住んでることが世の中に出ても、どってことないしね。
合宿してまーすとか、いくらでも誤魔化せるし。
それから一ヶ月位経ったある日、楽屋でさとと俺はふたりきりになって。
滅多にそんなことないから、ちょっと興奮しちゃって…
キスして…身体を少し触り合ってた。
ほんのちょっと
イケナイコトして遊んでた
ただそれだけだったのに