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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第13章 漆黒


思わず腕を引き寄せて抱きしめた。
どさりと俺の上に覆いかぶさる素肌が熱い。

「す…き…」

声が掠れる。
でも、もうこんなチャンスないかもしれない。
今、言ってしまわないと…

一生、後悔する…

「…ずっと…好きだった…」
「うん…ありがとう…」

そっと起き上がると俺の顔をじっと見つめる。

ねえ…なんで…?

ここに来てからずっと引っかかってたこと…
今更…喉に突き刺さった小骨のように、痛んでくる。

「なんで…俺のこと、誘ったの…?」

好きじゃ、ないよね?

俺の事好きじゃない。
それはいくら俺でもわかる。
なのに、なぜ今晩、俺はここに誘われたんだろう…

「セックス…したかったの…?」

そうとしか思えなかった。
こんなに性急な展開…

頭も身体もついてこない。

「別に…誰でも良かったんだよね…?」

一番聞きたくないことがなぜか言葉になって出てきた。
そんなこと、聞いて傷つくのは俺なのに…

瞬間、表情が歪んだ。

「ちがう…」

振り絞るような声がしたと思ったら、両手で顔を覆ってしまった。

「ごめん…弄ぶようなことして…ごめん…」

泣きそうな声だけを残して、ベッドルームを駆け出ていった。

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