第13章 漆黒
「なんで…隠すの…?」
「え…だって…」
「凄く綺麗なのに…白い、肌…」
手のひらで胸をさわっと撫でられた。
平板な胸…
こんなので、欲情する?ねえ…
急に、自分が男なのが恥ずかしくなってきて…
思わず目をぎゅっと瞑った。
ああ…もう何もかもが想定外で…
俺の頭は、なんにも現状を理解できなかった。
「目、開けて…」
囁くような声がしたかと思うと、まぶたに指が載せられた。
「見て…俺を…」
そっと目を開くと、バスローブも何も身につけていない姿が目に入った。
「え…あ…」
恥ずかしくて、目を逸らそうとするけど…
一点に目が釘付けになった。
「見て…わかる…?」
そっと俺の手をそこに導いて触らせた。
熱い…
「この白い肌に触ってたら…こんなになっちゃったんだよ…」
日頃の無口は、どこかに行って…
こんなに自分の思いをスラスラ言っている姿が珍しくて…
思わず見つめると、ふっと笑った。
「俺のこと…好き?」
「え…?」
「ここまでついてきてくれたってことは…少しでもそういう気持ちがあるって思っても、いいの…?」
聞いてることは大胆なのに、その顔は哀しいような寂しいような顔をしている。