第13章 漆黒
「あっ…ああっ…もっとっ…」
後ろから激しく突き上げる度に、そのしなやかな身体が弓なりに反る。
その背中のラインが美しくて、何度も何度も突き上げた。
「あああっ…いいっ…もっと壊してっ…」
「ばか…壊さねえよ…」
「やあっ…もう、壊してっ…お願いっ…」
「だめだ…」
腕を引っ張って上体を起こすと、より奥にめり込む。
「ああああっ…気持ちいいっ…」
「俺もっ…ああっ…」
二人の汗が、シーツに染み込んでいく。
お互いの肌を流れていく汗は、自分のものなのか相手のものなのかわからないほど、俺達は混じり合った。
「あっ…もおっ…イきたいっ…」
「待って…」
身体をベッドに倒すと、仰向けにした。
じっと上から見下ろすと、乱れに乱れた姿なのに美しく…
俺を惑わせた。
額に張り付いた黒髪を指でどけると、額にキスをした。
「愛してる…」
大きく目を見開いて、俺を見上げる瞳はたちまちに潤んだ…
「お願い…今だけは俺のものなんだよね…?言って…」
「うん…」
そっと伸びてきた両手は俺を引き寄せて抱きしめた。
「ありがとう…」
身体を起こすと、潤んだ瞳は閉じられた。
顔が近づいてくる。
唇が重なると、震える声が聞こえた。
「愛してる…雅紀…」
end