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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第12章 ピスタチオ fromショコラ





キィキィと社長みたいな椅子が軋んでる。
行長先生の貧乏ゆすりが止まらない。

「で、黒は出ていったんですね?」
「はい…」

また、先生のお宅に伺った。
今日も一人。
あれから、大野さんと一緒に居ても黒が現れる様子はない。

でも行長先生には顛末を報告しておこうと思って、次の予約はキャンセルせずにそのまま来たって次第で…

「これは勘なんですが…」
「なんでしょう」
「黒は、もう来ない気がします」
「ほう…それはまたなんで?」

ぐっと詰まったけど、行長先生には嘘はつけない気がした。

「あの…大野と…その…」
「ああ!やっとですか!」
「へっ!?」
「いやあ…心配してたんですよ、お二人のことは…」
「えっ?えっ?ど、どういうことですかっ!?」
「ああ…ふふ…」

そこに奥さんが入ってきて、コーヒーを俺の前に置いた。

「あら…?」
「え?」
「二宮さん、恋人ができましたか?」
「ええっ…なんでっ…!」
「だって…赤い糸が見える…」

奥さんはふふっと笑って空を指で辿っている。
それは俺の指から始まって空に向かっていた。

「この糸は…大野さんに繋がってるのね…?」
「ええええっ…」

お二人には、隠し事ができないって相葉さんが言ってたの、やっとわかった…

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