第12章 ピスタチオ fromショコラ
額をくっつけたまま、俺達は余韻に浸った。
息が整う頃、なんだか猛烈に眠い。
「大野さん…」
「ん…?」
「俺、大野さんのことが…」
伝えても、いいのかな…
好きだよって…
でも眠さには勝てなくて、言葉を継げないまま俺は眠りに引きずり込まれていく。
身体がしあわせだよって叫んでるのを聞きながら、すとんと落ちた。
そこで記憶は途絶えた。
起きたら昼近かった。
一瞬、どこにいるのかわからなくて。
広いベッドに一人で眠っていた。
起き上がると、遮光カーテンの隙間から部屋に光が差してる。
ここは大野さんの部屋だったと思い出すのに時間がかかった。
というか、認めなくなかったのかも…
だって…昨日のは、夢じゃないって認めることになるから…
がちゃっとドアが開いて大野さんが入ってきた。
「あ…起きた?」
ばちっと視線が合うと、ぶあああっと昨日のえっちなことが思い出されて、顔が真っ赤になるのを感じた。
「おおおおおお、大野さんっ…」
「なっ。なんだよ?」
「ご、ごめんなさいっ…昨日はずっと迷惑かけっぱなしでっ…」
頭をベッドに擦り付けるように土下座した。
はぁ、とため息が聞こえた。
そうだよね…呆れるよね…