第12章 ピスタチオ fromショコラ
なんか。いい匂いがする…
あったかいし…
気持ちいいなぁ…
いつも感じないぬくもりが、俺の傍にあって。
それを手繰り寄せて抱きしめると、そのぬくもりも俺のこと抱きしめてくれた。
嬉しくてぬくもりにごしごしと顔をこすりつけると、またぎゅっと抱きしめてくれて…
ふわふわしながら目を開けたら、そこには大野さんが居て。
微笑んで俺の額にキスしてくれた。
「大野さん…?」
「ん…」
「ここ、どこ…?」
「俺んち」
周りを見渡すと、ベッドに寝てた。
「え…?ここ大野さんちなの…?」
「そうだよ」
「なんで…?」
「俺がマネージャーに頼んで連れてきてもらったの」
「え?」
「おまえ、また黒に取り憑かれてたから…」
「あ…」
思い出して真っ赤になった。
俺、大野さんの握っちゃった!
「あ、あわわわわ…」
「ニノ?」
「ごっ…ごめんねっ?俺っ、迷惑っ…」
「バカ…」
「へっ?」
「迷惑だったら、俺んち連れてきてねえよ…」
ぼそぼそいう大野さんは俺のこと見ない。
「…病院、大したことないって。薬もらってきたから飲もう」
そういうと、ベッドから降りていった。
俺…何てことしたんだろうっ…
あれは、犬のせいじゃない。
俺が…俺がやったんだっ…